渓流釣り、特に源流部を釣りあがる際によく登場するトラロープ。
入退溪点や高巻き、トラバースなどでよく目にしますが・・・
誰がいつ設置したのかわからない残置ロープは、そもそも強度的にも、また紫外線や雨などによる経年劣化で、いつ切れるかもわからない信用してはいけない物の一つ。
もちろん補助的に使うことはあっても、両手で持ったり全体重をかけるようなことは避けたいものです。
電波の届かない山中での遡行で重要なことは、十分な安全マージンを確保すること。
毎年ニュースになるもの、ならないものを含め、残念ながら渓流釣りでの事故が起こってしまう。
STREAM CHASER BACKPACKでは、少しでも安全な釣行を楽しんでいただけるように、そして渓流釣りでの悲しい事故が一件でも減るようにと、安全面に配慮した機能を搭載しています。
先ずは、ロープの話
STREAM CHASER BACKPACKの表面に、デザイン的にも存在感のある斜めに配された止水ファスナー。
これはロープを入れるためのポケットになっています。
クライミングのように墜落前提ではない、沢登りや渓流釣りでは、補助ロープと呼ばれる8mmほどの太さのロープが多く使われていると思います。
長さは20mや30mで、撥水加工がされたものが使いやすく一般的でしょう。
STREAM CHASER BACKPACKのロープポケットには、8mm×20 mのロープがジャストフィット、8mm×30 m も詰め込めるサイズに作ってあります。
また、このポケットのマチは、バックパックの内部に向かって膨らむように作ってあります。
これによりロープを詰め込んでもバックパックの厚みが増すことがなく、Dリングに付けたランディングネットが遠くなることはありません。
ポケットにロープを仕舞う時は、先ずロープのセンター部を持ち、その部分からポケットにジグザグに詰め込んでいきます。
あえて束ねたりしないのがポイントです。
そして末端まで来たら、二本の末端をポケット上部にあるループに通して、ファスナーを閉めれば準備完了。
実際の釣行時、最も多くロープを出すタイミングは、懸垂下降やゴボウで崖や急勾配を降りる時だと思います。
ちょっとでも不安を感じる場面では、積極的にロープを出していきましょう。
安全マージンを取るという意味もありますが、日頃からロープの扱いに慣れておくという意味合いもあります。
使い方としては、先ずバックパックを下ろし、ロープポケットのファスナーを開けたら、末端を通しておいたループから抜きます。
ループに通しておいたのは、ロープの末端を見失わないため。
続いて、支点にする木や根にロープを掛けて、両末端をすっぽ抜け防止のために結びます。
あとは末端側を引っ張り、ポケットからロープをスルスルと出していくと、最終的にロープのセンターが支点に来ますので、すぐに下降を行えます。
必要に応じて下降器を使ったり補助ロープとして安全に降りて行きます。
下に着いたら結び目をほどき、ロープを抜いて回収したら、最初と同じようにロープセンターからポケットへ詰め込んで、遡行を続けてください。
実際に使用していただくと、とてもスムーズにロープを出し入れできることが、お分かりいただけると思います。
また、このポケットはロープ以外にもレインジャケットなどの収納にも使えます。
ポケット下部には、水抜きがありますので濡れたロープやレインジャケットを入れてもスムーズに排水してくれます。
冒頭にも書きましたが、安全で楽しい釣行の為に、残置ロープを頼らず、自前のロープを携帯することをお勧めいたします。